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【パートとアルバイトの違い】社会保険や有給休暇まで詳しく解説!
求人情報を見ていると、アルバイト・パート募集などといった文言を目にすると思います。
なんとなく主婦はパート、学生はアルバイト、というイメージがあるかもしれません。では、この両者は具体的になにが違うのでしょうか。
この記事では、パートとアルバイトそれぞれの定義と法律面での違いはあるか、などについて解説します。
目次
パート・アルバイトの違い
では早速、パートとアルバイトはなにが違うのか、法律面での違いがあるかどうか、また企業はどう使い分けているのか、などを見ていきましょう。
法律上の違い
パートとアルバイトについてですが、結論からいうと両者に違いはなく、フルタイムではない短時間労働者のことを指します。
パートとは
パートはもともと短時間労働を指す英語「part time」の略です。フルタイム(全時間労働)の対義語になります。日本においては「主婦が平日の昼間に短時間勤務すること」という意味で使われています。
アルバイトとは
こちらはドイツ語で仕事・勤労の意味になる「Arbeit」が語源です。明治時代ごろから学生が学業と並行しておこなう仕事として呼びました。現在でもその意味で使われています。
企業の使い分け
このように、世間一般のイメージである「パート=主婦」「学生=アルバイト」という認識は間違っていないことになります。では、なぜ呼び分けられているのでしょうか。
それは企業として主婦を求めているのか、学生を求めているのか分かるようにしているためです。人にもよりますが、主婦と学生だと働き方につぎのような傾向が見られます。
◆学生
- 短期で辞めてしまいやすい
- 社会経験が少ない
- シフトが組みやすい
◆主婦
- 長期で働いてくれやすい
- 社会経験がある
- シフトが組みにくい
これらをふまえて、たとえば「短期での勤務を希望している人を求めている」のであればアルバイト、「社会経験の豊富な人を求める」のであればパート募集、というようにしているのです。
ただ、最近ではパート・アルバイトと同様の仕事内容であっても、企業や店舗によって「スタッフ」「キャスト」「クルー」などと両者を統括する呼称にしているケースも見受けられます。
社会保険や有給休暇など労働・雇用条件に違いはあるのか?
つづいて、パートとアルバイトで社会保険や有給休暇といった、制度の部分に違いはあるのかについて解説していきます。
社会保険
社会保険の部分において、パートとアルバイトで違いはありません。適用されるかどうかは、勤務日数・時間で判断されます。
適用要件は「正社員の3/4以上の勤務時間かつ勤務日数を満たす場合」で、対象者は勤務形態に関係なく社会保険に加入することが義務づけられています。
なお、上記の要件を満たさない場合でも、つぎのような要件を満たすと企業側はパート・アルバイト社員も社会保険に加入させる義務が生じます。
- 従業員が501人以上(500人以下でも労使で合意されている場合)
- 週の労働時間が20時間以上
- 1年以上雇用される見込みがある
- 月収8万8選円以上(年収106万円以上)
- 学生ではない
有給休暇
有給休暇の取得に関しても、違いはありません。年次有給休暇は、労働者が一定の要件を満たした場合、勤務形態に関係なく、一定日数の年休を取得できる制度です。
以下の要件を満たせば、年次有給休暇が付与されます。
- 雇入れの日から6ヶ月継続勤務
- 全労働日の8割以上出勤している
扶養控除
パート・アルバイトであっても年収が103万円以下であれば親・配偶者の扶養に入ることができ、所得税を支払う必要がありません。この制度に関しても両者、また正社員ともに違いはありません。
ちなみに社会保険の加入者の扶養に入っている場合、収入が130万円を超えると扶養から外れて自分で社会保険料を支払う義務が生じます。
場合によっては年収130万円未満のときより手取りが減ることもあるので、この部分も考慮したうえで調整するとよいでしょう。
パート・アルバイトのメリット・デメリット
では、パートやアルバイトでの勤務をすることでのメリット、デメリットはどのようなものがあるのでしょうか。それぞれご紹介します。
メリット
◆定時に退社しやすい
企業によってはパート・アルバイト社員でも残業がある、もしくはしなくてはならない場合もあるかもしれません。しかし、一般的にはフルタイム社員よりその責任は重くなく、定時退社が基本です。
◆自分の求める条件で勤務できる
フルタイム勤務と違い、労働者が好きな曜日や時間を指定して勤務できます。自由度が高いので、主婦のように家事と両立したい人や、学生や副業を希望する人に最適といえるでしょう。
また、勤務する曜日や時間を変更したい場合でも、相談することで意見が反映してもらいやすいです。この部分はフルタイム勤務する正社員より融通が利きやすいです。
◆転勤がない
大企業や支店があると、正社員の場合は必要に応じて転勤を命じられる場合があります。しかし、パートやアルバイトであればその可能性は非常に低いでしょう。
家庭の都合で転勤が困難という方には最適です。ただ、転勤の有無は企業や店舗にもよるので、あらかじめ就業規則を確認しておくことをおすすめします。
デメリット
◆長期間働くことができない
自分でまだ働きたいと思っても、法律上で最長の契約期間が規定されているため、企業側が契約更新を希望しなければ働き続けられません。
ただ、労働契約が平成25年4月1日以降のものであれば、同一企業に5年以上継続で雇用されると、無期雇用への転換を希望できるようになりました。
◆社会的に不安定と見なされやすい
契約期間が規定されているため、正社員よりは社会的にも不安定な立場と見られてしまう場合があります。企業側が更新しなければ職を失うというリスクもつきまといます。
◆退職金・賞与が受け取れない
企業や店舗によってはパート・アルバイトの社員にも賞与を支給するところもありますが、一般的には支給されない場合がほとんどです。また、退職金も出ない場合が多いです。
正社員並みの給与を得られるほど働いても、長期間継続で勤務しても、それらの支給がないと年月が経過するほどにやはり大きな格差が出てしまいます。
まとめ
このように、さまざまな部分でパートとアルバイトの違いについて見ていきましたが、基本的には呼び方が違うだけで法律・制度上の部分は同じ、ということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
また、社会保険・有給休暇・扶養控除の部分については正社員とも同じです。これらを考慮して、自分にあった働き方を考えてみるとよいかもしれません。